信越五岳~ペーサー①

信越五岳トレイルランニングレース」にペーサーとして参加しました。
台風の影響で100マイルは102Kに、また110Kは52Kへと短縮されましたが、レース中は短時間、雨に降られた程度で、曇り空と少々強めな風で涼しく、結果的に走りやすい環境でした。


 夏のどこか
ペーサーの依頼を受ける。依頼してきた友人はUTMBに参加する予定。
UTMBと信越五岳の間はわずか2週間しかないので、疲労が抜けていないことが予想され、体調が心配される
本人曰く、そういった不安を払しょくし、あえて自信を奮い立たせるためにも、ボクに頼みたいとのこと。
あいにく、ボクにそのような力はないのだが、そのように考えてくれているのならば、と協力することにする。

 信越五岳には、いつかボクも参加してみたい。試走という意味合いも含めてペーサー参加をしてみる価値はある、という下心も‥

 レース直前まで
いちおう、2回ほど簡単な打合せをする。
あまりにもノープランでは悪いので、過去の信越五岳でペーサーを経験されている方のブログを読んだり、自分なりに、ペーサーの役割について考えたりして、少しだけ準備をしておく。
友人は無事UTMBを完走した
気象条件が悪く、かなり苦労したようだが、初めての100マイルを難易度の高いUTMBで完走したのだからスゴイことなのだけれど、それだけにレース後のダメージが心配される。
そのうち、台風に関する情報が巷に流れ出す
驚くほどのピンポイントでレース開催中に台風が直撃する模様。
てっきり中止になるかと思ったし、申し訳ないがいっそのこと中止になってほしいとも思った。
最初から台風と分かっていて走るのは不安があったし、静岡から新潟を縦断するのも大変なこと。
すると距離を短縮して開催するとの知らせが来た。
大会側も、台風の状況を見ながら開催と中止のギリギリのラインを見極めて決断したのだろう、というのは容易に察することができる。
友人も参加意思を示していたし、そうであればできる範囲で協力をしたいから、ボクも斑尾へ向かうことにする。

 ペーサーについて
一般的には、ペーサーの役割は走りながら荷物を持ってあげて走りやすい環境を作ってあげたり(これは信越では禁止)、精神的にサポートしてあげたり、ということらしい。
ボク個人は人の手を借りることが、自分のためにならないと考えていて、必要ないかな、と思っていた。

けれど、100マイルという距離は、走るのには途方もなく長い。
あくまでも自分の中では100Kくらいまでなら、一気呵成に走り抜けられる感覚がある。
もちろん速い遅いは別だし、10Kだってフルマラソンだって100Kだって苦しい。
だけど、100Kまでなら、「体力の続く限り‥」の“限り”手前で済ませることができる。
100マイルは“続く限り”の限りが何となく、ではなく、ありありと感じられる。
そうした状況下では、苦しさのあまり色々なものをあきらめたりするケースもある。
ボクなんかは特別でも何でもないから、体力的精神的に厳しい状況になったら、やすやすと妥協して、安易な選択をしてしまう
だけどペーサーが同行してくれて、ボクの安易な妥協点の先には、まだまだ走れる余地が残されている、というのを示してくれて、ボクがその可能性を信じて走ることができれば、ボクはボクの目指す何かに近づくことができる。
人の手を借りてでも、自分の中の可能性に気づくことができて、いつかの機会に単独でそこに向かうことができれば、ペーサー制度もあってもよいのかな、と感じた。

つまりボクもペーサー肯定派になったというわけ
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