信越五岳~ペーサー②

 スタートまで
コース短縮に伴い、ペーサーのスタート地点も56K地点の「アパリゾート」となった。
それに伴い、アパリゾートへ向かうバスの発車時刻も前倒しとなったので、仕事を中途で済ませて、急いで信越へ向かう
バスの時間に間に合って、アパリゾートへ到着。
今回、ボク同様ペーサーを受け持つ〇井さんと、話をしながらランナーの到着を待つ。
「アパリゾート」というからには、「アパホテル」の一室でも借りることができて、そこで仮眠をすればよい、という心づもりでいたけれど、「アパホテル」が経営するスキー場ということで、スキー場のロビーにブルーシートを敷いただけの場所を提供される。寒くて眠れない‥
まあ急きょ設置された場所なだけに、当たり前といえば当たり前で、むしろ心地よい待遇を想像していた自分がどうかしているのだが

幸い、雨は降っておらず、風がやや強い程度。
相方の選手を待っているだけの身としては少々寒い‥
ランナーたちは目の前のゲレン度を駆け下ってくる。
暗いからライトが移動してくる様で、そうとわかるのだが、中々きれいなものだ
普段見ることのないトップ選手の走りも見ることができるので、これまた楽しい。

〇井さんがペーサーを務める〇山さんがやってきた。
その後、ボクは一人でランナーの行方を見守ったり、前エイドでの順位を表示したボードを確認したり、とにかくウロウロ。
いつくるか予想がつかないから、見えないところでまったりしているわけにもいかず、「寒い・来ない」と何度も復唱しながら待つ。

やがて夜が明けようとする頃、ようやく友人到着。
やっぱり、相当疲れているようで、走れるパートがまともに走れないらしい。おまけに途中でシューズのアッパーに大きな穴(穴というより破れ)が空いていて、走りにくそう。

取り敢えず、シューズの応急処置を行い(テーピンググルグル巻き)、仄明るいコースへと復帰する。

 道中
「走れない」とはいうものの、そこを走らせるのがペーサーの役目
物質面では、選手の荷物を背負うことは出来ないけれど、あれやこれや世話を焼く。
精神面では、走りやすい環境づくりを心掛ける。具体的には‥

 1/3:雑談(くだらない話から、レース中に心がけることまで)
 1/3:激励(ナイスラン、まだまだ行ける、格好いい、全然限界じゃないetc‥)
 1/3:叱咤(ここは走れる、走るしかない、走らなきゃ勿体ないetc‥)

色々織り交ぜながら、走れる場所は走って、かなり苦しそうだな、と思ったらペースを下げて、あまり低きに流れないように気を使いながら先を進む。
友人は実際走れるパートは苦しそうだが、上り下りのハッキリしているトレイルでは、ぐいぐいと進む
ボクなどは、上り下りパートの方が先に苦しくなるので、彼のような状態がよく理解できない。

それでも、責任感の強い人だから、相当苦しそうだけど、弱音もはかずについてくる。
 結果、ペーサーについてからゴールするまで、随分と順位を上げることができた

天気はというと、途中で雨が降ってきたものの限定的で正味30分~1時間くらいだろうか?
台風は、翌日未明に通過したらしいから、コース短縮による大会開催は正解だったのだと思う。

ゲレンデを登ったり、駆け下ったり、ブナ林の中を走ったりと、おおむね気持ちの良い走りやすいコースで、やっぱり自分も選手として参加してみたいな、と思った

 ゴール後
ボク達はちょうど真ん中くらいの順位でゴール
ゴール後はいろいろふるまわれていた食事をおなか一杯食べた
コースが短縮されたことにより、エイドの補給食が余ったことも影響したのだろう。とにかく食べた~

ボクらのゴール時刻は13:30頃。お風呂に入って宿に戻っても、まだ夕方。
となると、やることは「宴会」のみ
選手として、あるいはペーサー、ボランティアとして参加した友人たちと集まって、これまた大いに騒いで飲んで楽しいひと時を過ごした。
大会運営者や参加された選手は、忸怩たる思いがあるだろうが、個人的には随分と楽しく過ごせた大会だった。

翌日は表彰式。〇山さんはめでたく入賞された
ここでもいろいろな食べ物が出て、またおなか一杯。今回の大会は絶対にカロリー過多だと思う

 さらにペーサーについて
ボクはボクなりの解釈でペーサーをさせてもらった。
結果的に順位を上げることができたし、友人曰く、「普段はつぶれて順位を落とす展開が多かったから、こういうレース運びが出来て良かった」と言ってもらえたし、それ以外の彼ののぞみにもある程度対応できたのかな、とホッとしている
ろくにペーサーについて考えてもいなかったので、これが正解かどうかはわからない。
むしろ足りない部分が多かったのかも。怠け者だから、その検証もしないだろうが

少なくともボクには楽しい時間だったし、友人も楽し時間だったと思ってくれていれば、成功かな?と気楽に考えることにしておく。
だから、今回のペーサー役は無事合格、と思っておこう
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