UTMB2013~その③

 スタート~Saint Gervais

沿道の大歓声に見送られながらシャモニーの街を駆ける。
各大会でもそうした光景は見られるのだけれど、規模がすごい
はっきり言って、気持ちE~
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しばらくは舗装路を走る。ランナーも大勢いてひしめき合っている。
長い行程なのであわてる必要はない‥とはいってもふと心拍計を見たら、
150台これはまずい、とはいえ体感ではそんなに上がっているとも
思えないし‥、とにかく慎重に。

舗装路を終えるとLes Houchesまでゆるいアップダウンのトレイルを進む。
まだみんな元気に駆けのぼりかけ下る。それにつられる自分‥
頭の中では冷静を保とうとするが、カラダは周囲のペースに付き合ってしまっている。
心拍数も中々戻らない。
ここで心拍数を下げるなんらかの行動を取るべきだったのではあるが、そうしなかったのには
それなりに理由があり‥。

言い訳をしてしまえば、胸に装着した心拍計ベルトが、歩を刻むたびにずり落ちてくる
以前から装着していた長さと同じはずであり、ここまであからさまに落ちてくるか?というくらい
ずり落ちてくる。
つまり、体感にそぐわない(とその時は思っていた)高い心拍数は、適正な位置で計測されない
心拍計の計測ミスなのでは?という疑念を持ってしまったのである。
今考えると、それも愚かしい考えだったと反省するのみなのであるが‥
とにかく、ずり落ちてくる心拍計を女子のブラジャーのように上げ続けなければならず、
えらい負担になったし、はたから見ても少々気色悪かったに違いない

Les Houchesをすぎて、本格的に山に入る。
40K過ぎくらいまでは昨年とコースが同じであるため、おおよその雰囲気も分かっているつもり
だが、坂が急なのは変わるわけではない
例えば、最初は車が通れる林道を登るのだが、実際車が登れるのか?というくらい坂がきつい
たまらずストックを出して対応(これ以降、ストックをしまうことはほとんどない)
林道を抜けると、私設エイドなどもあり、日本人には”おにぎりいる~?”と声をかけてくれる。
”欲しい”というともらえる。
とてもうれしい。やっぱ日本人はコメですな。これは文化であり、食文化に西洋化の波がこようとも、
パンで過ごした給食時代があろうとも、やっぱ究極の状態では日本人にはコメがカラダに合うと
個人的には思う。
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そしてさらに、見通しのきいた登りが続く。
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山あいにきれいなホテルがあったり、モーモーさんがいたり、のどかな風景が
広がっている。昨年はスタートがPM7:00だったので、ここら辺りは暗かったのだが、
今年のスタートはPM4:30と早く、まだ明るい。

そうこうするうちSaint Gervais(多分)に到着。
相変わらずエイドでの補給食の種類は豊富。
でも、チーズ・サラミの類は食べずにおく。パウンドケーキやバナナ、パン、クッキーなどを食す。
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そしてここで、辛抱たまらず心拍計を外してしまう
すでに、心拍計はボクのおなかにまでずれ落ちており、心拍計は200台に達していた。
そりゃそうだ、おなかに心臓はないのだから

今回の失敗の原因は様々あろうかと思う。自分でも自分のことをわかってはいないので、
答えはあるはずなのに、ないのだけれど、それでも大失敗ベストワンは心拍計をとってしまったことに
違いない
これ以降、自分の感覚を頼りに進むことになる。そして結果、それがリタイアにつながったのでは
ないだろうか。

とにもかくにも、心拍計を外して、少しすっきりし、
水の補給、食糧の補給を行う。ちなみに、エイドで食べる以外の補給は、
やはりエイドにおいてあるシリアルバーを携帯し、道々食べるという思惑であった。
それゆえ手持ちのジェルは3つくらいしかなかった。

そして先を急ぐ。