ぬるい坂道ダッシュ

登りが嫌いである。
”登り”というよりも、”苦しい”ことが嫌いである。
さらに言えば、胸が焼けるような類の運動が嫌いである。

水泳とか(別にカナヅチではない)、中距離とか(短距離は四半世紀ほどきちんと
走った事がないから、この際放っておく)。
嫌いなことには近寄りたくないし、続けられない。
しかし、トレランのレースに出るくせに「登りは苦しいから嫌い」とか言っていても
まるで、解決にならないし、そろそろこの決め台詞も新鮮味に薄れ、
面白味も完全になくなっている。

というわけで、登りに強くなりたいな~と思いつつ、何か楽チンで効果的な方法はないか、と
一応、調べてみるが、
登りに強くなるには、とにかく登るしかない」と、
ごくごく当り前のこと以外、取り立てて得心のいく説明はなく、やっぱり走らにゃだめか、
という結論にたどり着いた

かといって、過度に苦しいことは、ボクの性格上絶対長続きしないので、
であるならば、メチャメチャ苦しくない程度に追い込めばよいのではないか?ということに
思い当たり、LT値レベルまでの心拍数を上限に、坂道ダッシュをやってみた。

坂道ダッシュについては、あくまでもマラソン(ロード)の練習の一環として、
80%程度の力で、200m前後の距離を何本か‥というのが、おおよその定義らしい。
(定義も種々雑多にあるようだがボクの現在の環境から行くと、このあたりがボクにとっての
適正ラインとなるようである)
さらに「アドバンスドマラソンレーニング」にはマラソンを走るにあたり、
LT値以上の心拍数で行うトレーニングにさほどの意味はない、ようなことが
記載されていた(と思った)。

”水は低きに流れる”⇒”ボクの意志も弱い方に流れる”
自分の弱さを正当化させる、都合のよい記述が見つかったところで、
無理なく坂道ダッシュをやることに。

これまた無理なく10本ほど、走り終えて、
「まあ、今の自分ならこの程度でいいかな」とぬるい感じで
終わりつつ、本当にこれでいいんだろうか?と自分で自分のそこそこ感が
心配になり、せっかく坂道ダッシュをやったにもかかわらず、却って
モヤモヤ感が増幅してしまった。
でも、これ以上苦しいことは、やっぱり長続きしないであろうから、
ボクにはぬるい感じで進むのがあっているのだろう。