UTMF~レース④

 麓~本栖湖

ひと眠りしたためか、体力はある程度復活し、気持ち悪さも減った。
やっぱり睡眠って偉大だな~

端足峠取り付きまでの平坦なトレイルは走って、竜ヶ岳まで続く登りも
難なくこなす。
くだりからエイドまでの舗装路も大丈夫。相変わらず補給はしていない。
それでもカロリー摂取を心がけるべく、コーラを飲む。
しかし、このペース‥完全復活なのでは

本栖湖につくとサポートの方々や応援に来てくれた家族がおり、
温かいスープをごちそうになる。
エイドのゆば丼もいただき、いざ鳴沢へ

 本栖湖鳴沢氷穴

ここからしばらく登り。
お正月くらいに、逆回りで試走を行っている。
うろ覚えなのだけれど、こんなに登り長かったかな?というくらい長い

一旦登ってしまうと、気持ちの良いトレイルが続く。
しかしパノラマ台直前にまたもや長い登り。
麓での休憩で回復した体力は、ここらで電池切れ
電池切れと同時に、吐き気も復活

したがって、パノラマ台からの下りは、ひたすら歩き‥。
下り切った後はしばらく樹海を進む。
本来なら気持ちよく走れるコースなのだが、ダメ。
そして”走らない”、”食べてない”ことから、ものすごく寒くなってきた
余りに寒いので、少し走る。

樹海のトレイルを抜けると、7Kに及ぶロード。
弱り切ったカラダにこのロードは厳しく、わずかな登り勾配だものだから、
走ると息が上がる。息が上がると気持ち悪い。だから歩く。
歩くと、すご~く寒い。
持っているウェアをすべて身にまとうが、寒さがおさまらない
この区間は異常に時間がかかった。永遠に到着しないんじゃないか?とも
思ったが、どうにか到着。

最終エイドである鳴沢氷穴には仮眠所が無く
皆、ストーブの前で毛布にくるまっている。
ボクも毛布をお借りし、ストーブ前のベンチに座るも、冷え切った体は全く温まる気配が無い。
とにかく気持ち悪くて、横になりたかったが、仮眠室が無いのではそれもできない。

今、出発しても、冷えたカラダが暖かくなる見込みはほとんどない。
そして、そうした行程はあと11K続く
ムリっこのままゴールできるイメージが全然わいてこない。
このままレースを諦めようかどうか本当に迷った。

でもあと11Kだし、サポートしていただいた方々のことを思えばやはりDNFは‥。
などと、モンモンと考えつつ、ふと横に目をやると、
ベンチに横になっているランナーさんがいる。
こうなったら、ダメでも何でもボクも横になるしかないっ

エイドスタッフさんに横になりたいことを告げたら、あっさりOKしてくれ、
なおかつ、毛布2枚掛けまでしてくれた
毛布2枚掛けでも、屋外であり、自分で温かくなるだけのエネルギーはないし、
寒くて寒くて、これで眠れるのか?と不安だったが、さすがに疲れているため
なんとか就寝

2~3時間後、目を覚ますと、空がほの明るい。夜が明けたらしい。
気分の悪さはいくらか和らいだ。太陽が出てくれば、気温も上がり、
今の自分でもゴールには辿り着けるだろうか?

そして意を決してエイドを出ることにする。
起き上がると、そこいらに同じような状態のランナーさんが横になっている。
さながら野戦病院
コンソメスープをいただいて、最後の区間

続く