UTMB~その⑥

 La Fouly~Champex-Lac

日が落ち、あたりが薄暗くなるころLa Foulyを出発。
昨年はここでDNFとなったため、これより未知の世界。

高低図によると、下り基調で進み、Champex-Lacの
手前でちょっとした登りがある。
下りならばこの弱り切ったカラダでも何とかなるか‥

しかし、脚は痛く、吐き気はおさまらず
ひたすら歩く。当たり前だがどんどん抜かれる。
あ~、なんでこんなことになってしまったのか‥

暗いながらも、途中で「あ、ここ2009UTMBで鏑木さんが、スコット・ジュレクに
追いついたところ」とか、森の中にトーテムポールのような
立てかけた丸太があり、その上に木彫りのカエルを見つけて、
「こんな森の中にカエルの置物?驚くからこんなところに作るなよ~
とかひとりごちながら進んで行った。

 カエルの置物の件であるが、ゴール後、他ランナーさんとの
完走祝いで飲んでいたら、誰もカエルの置物など見ていなかった‥
ボクははっきりとみたはずなのだが‥。これが幻覚という奴であったかもしれない。
今までレースという状況下で(レース以外でも)幻覚を見たことはなかったから、
今回が初めてということになるのだけれど‥、本当になかったのかな?

(おそらく)Champex-Lacの麓の街にたどり着き、これから登りが始まる。
とはいっても高低図で見る限り小高い丘のような登り。
もはや、歩くのもつらい状況だが、大丈夫でしょ
上を見ると、かなり高い場所に、比較的大きめの施設の明かりが見えるが、
まさか、あれじゃないよね

と思いながら登り始めたが、一向につく気配はない。前方を進むヘッドライトの列は
随分と上方へと伸びており、どうやら先ほど懸念した、さらに上の施設へと向かっているらしい。
これには(勝手に)だまされた
小高いだけの丘かと思っていたのに‥

歩くのがやっとの状態でこの登りはひどくつらい。
自分の現在のスタミナ、歩行速度、体調を考えると、それ以降の展開が暗澹としたものに
思えてくる。
DNFうんぬんより、関門時間に間に合わないという事態も、十分考えられる。
‥どうしよう

重い脚を引きずり、どうにかChampex-Lacに到着

 終始暗かったのでこの間の写真はなし