おんたけ100マイル~その③

103K地点の第3エイドでデポした荷物を受け取る。
着替えや補給食を用意してあったが、補給食のみを
ザックに詰め込む。

さてここで思案‥ 今レースに当たり、あまりに不安だったのと過去の経験から
ストックを携行していった。

ストックを積極的に使用して脚を温存し、終盤まで変わらぬ
ペースを維持する、というのが当初の計画。

だけど、ここまでほぼ走り切ってしまい、ストックを使用しての
パワーウォークをすることがなかった。

ちなみに100K走ってきただけの疲労はちゃんと蓄積されている

ここまでの流れを考えれば、ストックは必要ない。
しかし、歩くのも困難になるほどの事態に陥ったら、ストックはとても有用な
アイテムとなるに違いない。
ストックを置いていくかどうか‥。

結果、不安が勝り、そのまま携行することにした。
 そしてその後使用することはなかった

いまだ走れることは走れるが、ペースはひどく落ちてきた。
下りでは太ももも痛くなってきたし‥。
思考力も落ちてきたようで、エイドで出し忘れたものを思い出し、
ザックから出し入れすること数度。
色々な面から限界は近いかな?と感じる。

第4エイドに到着する。時計を見ると20時間切りは無理っぽい。
前半と同じくらいのペースで進めば不可能ではないけれど、
それが出来ないから無理っぽい

鏑木さんのように「自分との戦い」とか「自分に勝つ」とか、
言葉は浮かんでは来るのだが、
そこは自分の弱さに並々ならぬ自信を持つボクのこと。
特にペースを上げるでもなく、淡々と(ゆっくり)進む。

100Kコースならば最後となる長い下り。
みぞおちの辺りが痛くなり、呼吸が苦しくなる
たまらず歩くと、やがて痛みも治まる。
走り出すと、再び痛みに襲われる‥。
ボクも40台半ばで、病気や死についてまるっきり無関心というわけではない。
40台ならば”夭折”という言葉がギリギリ当てはまる歳かもしれない。
でも死に至る病はぼちぼちやってくる歳でもある。

だから、この手の痛みが来るとドキッとする。
異常なことをしている最中に異常な現象が起こるのだから、
「ひょっとして、益々悪くなっていくのでは」などと
余計なことまで考えて不安になる。

なんにしてもペースはさらに落ちて20時間切りはもはや風前の灯火‥