UTMF~その③

 A2本栖湖~W1麓

本栖湖では”湯葉丼”、”バナナ”等を食し、まんじゅうをいくつか携帯した。
ちなみに”湯葉丼”は適度な塩気と、ジェルとは違う噛みごたえがあり美味しい

ライトを装着し、いざ出発。 従来であれば、本栖湖畔から竜ヶ岳に登り、麓へと下っていくのだが、
今回は悪天候によりコースが変更となった。
実際は、竜ヶ岳を巻きながら、東海遊歩道を通り、麓へと向かう。

5月末のイベント時にも通った(しかも夜間区間である。
緩やかなアップダウンが続くシングルトレイルであり、とても走りやすい。

ここは無理せず、他のランナーさんに帯同するようなペースで進んだ。
山を越えないことで、速く到着するかと思いきや、なかなか時間がかかる

それでも、これまでの貯金をくずすことなく到着。

 W1麓~A3富士宮

W1はフジヤマUのメンバーが中心となり運営しているエイドだ。
したがって、見知った顔が多く、あたたかな歓迎を受ける
基本的に、人情的な雰囲気で高揚するタイプではないと自分では思っている。
だけど、うれしくないわけではない
特に、夜の山中を何キロも走ってくるという特殊な状況下ではなおさら。

早い話、このあたたかな雰囲気に存分に甘えつつ、これから向かう難所、
”天子山地”への準備をする。

レース前悪天候によるマメ対策として、足指に”ガーニーグー”を塗った。
これまでのところマメはできていない
念を入れて、塗りなおす

まずは雪見岳の登り。そもそも、このルートは通常のトレイルではなく、
UTMF用に作られたと聞いた。
それゆえ、直登‥。しかも急な‥
しかもしかも、今回は悪天候のためスリッピーで余計なスタミナを使う
当たり前だが疲れた。しかしここはまだよかった。

今レースの真の難所はその直後に控えていた~
急な登りゆえにくだりも急なのであるが、これがとんでもなく滑るっ

上手な人は、滑りながらでも、ヒョイヒョイ下っているのだが、
自分はそのようなスキルもなく、年齢からくると思われる思い切りのなさが災いし、
スッと下っていくことができない。
滑る⇒転ぶ⇒ケガをする、という想像が足をすくませる

腰が引けるから、さらに滑るっ
結局何度転んだことだろう?
当たり前の話だが、登る速度と下る速度を比較すれば、下りの方が
速いに決まっている。
しかし、雪見岳とこの後に続く熊森山の下りに関しては、登る速度より
遅かったと思う
しかも、転ばないようにと踏ん張るので、不必要なスタミナを使ってしまった
なので難所パートを抜けた後も疲れ切ってペースが上がらない。

スタミナの消耗に比例して、精神的な減退もひどく感じられた
要は”気持ちが切れた”ということだ。

泥だらけになりながら長者ヶ岳を降りて舗装路に出た。
ここまで同行したS井さんによると、エイドまではかなりの距離があるらしい
下り基調の道路を走り始めるのだが、難所を超えてきたヒザは限界に近付いてきたようで、
かな~りの痛みを伴っている
痛みで息が荒れ、たまった疲労に追い打ちをかける。

ここまではフラットな路面以外、抑えられない痛みではなかったのだけれど、
もはや、登っても下っても痛い
疲れもひどく感じられる。前半とは思えない疲れ。
天子山地を下ってから、時間通りにジェルを口に含むも軽い吐き気を覚える

ヒザの痛み疲労吐き気‥。ここでDNFも考え始める。