グランレイド・カター~その④

◆ 私のレース展開
スタート後は努めてゆっくり。参加者が少ないので5kmも進めば、前後にはわずかな人しかいません。丘陵地帯が広がり走りやすい反面、アップダウンが多く、意外と消耗するかもしれません。

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ただし、元気なうちは楽しく、ピークからの眺めはそれなりに感動を覚えます。
今回、レースにおける最大の懸念はコースロストです。フランスの片田舎(失礼)で道に迷ったらレースどころか、自身の存亡の危機!参加者も少ないことから、誰かについていく、という手段も現実的ではありません。マークは木にぶら下がっている1mほどの蛍光リボンと、全長50cmほどの蛍光テープ付き小旗がポイント毎に取り付けられています。集中して見逃さないようにしてください。

エイドには、水分は、水・コーラ・炭酸水・フルーツジュース、食べ物はバナナ・オレンジ・チーズ・ハム・サラミ・パン・パウンドケーキ・即席めん・たまにジェルやリンゴピューレ、などがあります。
夕方の5時半にスタートして7時過ぎには暗くなります。

約47km地点の“Chateau d’Arques”は1度目のデポジット地点です。当レースコースは8の字のような形をしており、8の字の交点となる場所が“Chateau d’Arques”です。
こじんまりとした古城で47kmと124kmの2度通ることになるので、結果的に2ヵ所のデポジットが可能ということになります。
山を下ってくると、平地にオレンジ色のライトに浮かび上がる古城が見えてきます。とても幻想的であると同時に、無事にたどりつけてホッとします。

ここで、妻と落ち合います。今回、大会側にお願いして、妻を現地に運んでいただきました。どうやら無事に運んでもらえたようです。デポしてあったジェル等を詰め替え、用意してくれた味噌汁入りのおかゆをいただきます。甘いものばかり食べているので、味噌汁の塩気がとりわけおいしい。

準備が済んで出発します。これまで、断続的だった雨脚が、普通の雨模様になりました。ゴアテックスウェア(上のみ)を着て、先を進みます。これまでのように丘陵地帯を進んだり、林道を走ったり、たまに牧場の中を走ります。牧場には家畜が逃げないように電気柵が施されていて、それらは大会側が設置してくれた脚立で乗り越えます。合計で10か所近くあったでしょうか?
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この頃は、一人の時間が長かったです。順調に走ってはいましたが、雨はやむことがなく、むしろ時々勢いを増してきます。そのうち遠くで雷も鳴りだしました。その状態でも視界が悪いのに、そのうち濃霧がでてきました。こうなると周囲の状況はさっぱりわかりません。唯一数百メートルおきに光る蛍光テープのみが頼りです。

林道(と思われる)をひた走り、山に入って300m?ほど登ると、山頂に、ライトアップされた、大きなお城があります。と思ったらお城のようにそびえたつ巨大な岩山でした。その脇にエイドがあります。あまりの大きさに恐怖心を覚えます。標高も多少上がったので寒い。早々に下山します。
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この頃、一層雨脚が強くなり、痛いほどの雨粒が顔に当たります。ゴアテックスはとっくにびしょぬれ。下も履こうかとも思いましたが、走れている間は体温も下がらないので、とにかく早く下山することにします。