柴又100K~その②

キロ5分くらいで走ってはいるが、何人にも抜かされる
まだ序盤でカラダが軽いし、それなりに気負ってもいるだ
ろうから、ついついペースが上がってしまうのだろう。

そう客観視しながら走っている自分もキロ4:50台と少し速め
でもまあ許容範囲内か?

しばらくこのまま進む。
コースはひたすら川沿いを遡上。単調極まりないコースだが、
河川敷の広場が野球のグラウンドからゴルフ場へ、
やがて草地のフィールドへと姿を変えていく。
そこでスポーツに興じる人たちも、野球・ゴルフ・ラグビーラクロス
変化に富んでいて、それなりに気がまぎれる。

徐々に気温が上がってくるため、エイドごとの水分補給は欠かさない
エイドが見えたら携帯しているジェルを口に含んで、水を流し込む。
エイドに補給食があったら、なるべく食べるように心がける。
ウルトラの楽しみは食べ物の豊富さにあるのだから。
幸い、UTMFのような吐き気には悩まされていない。

30Kほども走っていると、ペースが落ちてきたランナーさんが現れ始める。
「でしょうね~。みんながみんなあんなペースで走れるわけないって思っていた。」
と2時間もたたないうちに同じ運命をたどることを知らない自分が
知った風なことを言っている

ペースも安定して、フルマラソンの距離でほぼ3:30。悪くない。
気温も高くなっているが、絶望的なほどの暑さでもない。
中間点である50Kさえ過ぎてしまえば気分的にも楽になるだろう。
さらに折り返し地点である55Kをすぎれば、おおよそ下り基調となるだろうから
ペースもそれほど落ちないはず。
このあたりで折り返しを過ぎたランナーとすれ違い始める。疲れを感じさせない方も
いれば、明らかにペースダウンしている方も。
できるだけ追いつけるように頑張りたい

そして折り返し地点である55Kの五霞町エイドに到着。
この前1~2Kほどから疲れを感じる
何をデポするかとくに思いつかなかったので、荷物は預けなかった。
普通に給水、給食と、ここで初めて水をかぶる。

さっさとエイドを後にするが、思いのほか疲労がたまっていることに
気付く‥
そういえば息も結構上がっている。これってどうだ?

1Kが長く感じる。ペースが落ちたような気がする。(そして実際落ちている)
来たか‥思いのほか早かった、というより早すぎる。
適度な疲労を抱えながらも、徐々にペースを上げていくはずだった。
しかし、50K弱という距離を残して、余力はあまりなさそう。

この状態から、考えられる展開はあまりなく、いや”あまり”というか
ほとんどなく、テーマをつけるとしたら”絶望”ということになるだろうか。

ここからは苦しい思いをしながら、できるだけペースを落とさない。
しかも完走するために50K弱の道程を、この状態のまま乗り切らなければならない。
これこそ”ザ・絶望”
ということで、ここから先は、今日のような悪条件のもとで、特に対策も立てず
浅薄に結果だけを追い求め、ご多分に漏れずコース途中で疲労のピークを迎えてしまい、
これ以降、ペースが落ちることはあっても、上がることのない、
そんな希望のない展開がわかりすぎるほどわかりながら先を進むほかない。

あ~絶望

そして続く