グランレイドカター~②リムーへ

2日目はカルカッソンヌから30キロほど離れたリムーという町を訪れた。
人口1万人弱の小さな町らしいけれど、スパークリングワイン発祥の地として有名らしい。

カルカッソンヌの駅から電車で‥、と考えていたのだけれど、駅についたらバスで行ってくれ、と伝えられた。
どうやら工事か何かの関係で電車が通っていないらしく、代替えの路線バスを使え、ということらしい。

 

駅前から少し離れた駐車場がバス乗り場らしいのだけれど、ゴミが散乱したうら寂しい駐車場で、本当にバスが来るのかどうか、ひどく不安になる。
しかし、出発時刻が近づいたら、きちんとバスが来たので、それに乗ってリムーへ向かう。
駅のインフォメーションで、乗車賃は片道1ユーロと聞かされており、それでも随分と安いと思ったが、リムーに到着してお金を渡そうとすると、「いらないよ~」との仕草。なんで?

ともかく、すこし得した気分になりながら、リムーの地へ降り立つ。駅前は小さなレストランが一軒あるきりのいわゆる田舎町といった風景。
事前に何となく目星をつけていた醸造所へと向かってぶらぶらと歩いてみる。
途中で教会らしき尖塔が見えたので、方向転換をしてそちらに向かう。
ヨーロッパではキリスト教が文化の中心として成り立ってきたから、町の中心=教会=賑わっている、ということだ(と思う)。
街の規模にしては不釣り合いと思えるほどの立派な教会の下にはカフェやレストランに囲まれた広場があり、どうやらそこが町の中心らしい。

この後向かった醸造所は、時間の関係で閉まっていたので、広場に戻って、スパークリングワインを飲んでみる。
正直、ボクはお酒の席は好きなのだけれど、お酒の知識や繊細な味の機微には疎い。
なので、それなりの味なのだけれど、発祥の地で飲むワインということで、それなりに気分もよい。

フランスの町はどこも同じなのだが、とにかくカフェ、レストラン、パン屋が多い。
そのどれもが全て視界から消えることはない、というくらい。

そしてフランスだけにフランスパンを持っている人もやたらと見かける。
ボクのような日本人から見ると、包装も大雑把だ。
フランスパンがまるまると袋に入っているのはまれで、大体は持つ部分だけ紙を巻いているだけ、それを1~5本くらい抱えて歩いている人が多い。
全体的に”雑”な扱い。中にはこんな人もいたりして‥。

もう食べ物という扱いではないような‥。

帰り際には、お土産にスパークリングワインを買った。
そして帰りも、なぜかゼロユーロな路線バスでカルカッソンヌへと戻っていきました。
観光地とは言えないリムー。ただこういう場所を自分で歩くことは、観光地を巡るだけよりも記憶に残る貴重な体験となった。
そしてボクの場合、こうした経験は走っていなければ訪れなかったわけで、今日も楽しかったし、走っていてよかったな、と満足するのでした。

しかし、よく歩いたな。明日はレース当日なのだが、大丈夫だろうか?