ULTRA01XT~④中盤

◆ 中盤
最初のデポジットバックを受け取ることのできる「HAUTEVILLE」(60.2km)に到着。
今のところ問題なく進めている。しかし、ここまで消費すべき補給食が余っている。もともと少なめの量しか持ってこなかったのに余っているというのは‥?
とりあえず、デポしておいた補給食をもって、早々に出発。

山中を抜けて、林道や牧場を通り、町(村)に降りて、山を登って‥。これの繰り返し。
ただ、急に小川に降ろされて、川をさかのぼらせたり(シューズビチャビチャ)、岩盤をくりぬいた長いトンネルを走らせたり(ちょっと怖い)、バリエーションも増えてきて、前後に人がまばらになった夜中でも退屈はしない。庭でどんちゃん騒ぎをしている農家の横を通った時は、ものすごい大声で(ほぼ絶叫)、応援してくれた。

時々、ランナーに抜かれる。おそらくリレーの人たちだろう。ザックを持たずまるっきりの空身で、タタタと駆け抜けていく人もいたり、明らかに太った大柄のランナーがいたり。
誰が誰やらよく分からないが(ゼッケンは前にしかついていない)、ボクはたいてい抜かされる役回りで、基本競争心は無い方だと思うけれど、抜かされれば多少は気持ちが落ち込む。ましてや「そんなにゆるいオナカの持ち主のお前が、なんでオレより速い~?!」みたいな人に抜かれちゃうとなおさら。

そんなやりとりをしているうちにペースも乱れたのだろうか?徐々に疲れてきた。
そのくせ、補給のペースも鈍ってきた。この展開は、悪い未来しか予想できないやつ。

そうこうするうちにコースを間違えた。
牧場の境界には、人が越えられる高さ30cmほどの小さな脚立のようなものがある。それをまたいで、まっすぐ林道を走っていると、向かいから自動車が来た。「??夜中にこんなところにクルマ??」と思っていたらボクの脇に停車した。
車内をのぞき込んだらULTRA01のRD。何やらボクに話しかけてくる。どうやら、「オマエ、道間違えてるぞ。間違えたところまで、ついてこい」みたいなことらしい。クルマの進む方向(つまり逆走)についていったら、牧場の境界を90度曲がるのが正しかった。足元しか気にしていなかったからわからなかった。幸い、間違えて数分でRDに会ったので、大したロスにならなずに済んで一安心。

80kmを過ぎたあたりから、登りのペースが明らかに落ちてきた。下りはまだ大丈夫。でも大腿四頭筋は筋破壊による痛みを感じ始めた。まだ半分あるよ?半分って、80kmのことだよ?どうするのオレ?
無理をしない程度に、ペースを維持するよう努める。全然維持できていないけれど。
102kmのエイドが見えてきた。池の向こう側。50mくらい向こう。もうすぐ到着。池をぐるっと回りこむのだけれど、それまで見えなかった池の外周がすこぶる長いっ!結構時間かかるよ。
そして疲労困憊。補給のペースはもう崩壊気味。そのせいか気持ち悪くなってきた。
123kmのエイドがもう一つのデポジット地点なので、取り敢えずそこまで頑張る。
しかしながら、123kmのエイド残り数キロで、手足がしびれ始め、ついに歩いてしまう。ハンガーノックだな~。歩くのもつらい。ほぼ平坦なコースだったが、全然走れない。

中盤は夜だったのと疲れていたのとで、ほとんど写真を撮らず。これは後半の町の教会。
今回も何度かいろいろな街に降りたが、比較的新しくできた町が多かったようで、昔ながらの教会を見ることが少なかった。

ある牧場の前を通った時、真横で「ドドドド‥」という音が!?どうやら、放牧されていた牛に帰還命令がでて、駆け足で飼育小屋に戻るところだったらしい。あれだけの巨体が団体で走る姿はコワい。