畑薙100マイル① ~簡単な100マイルはない

 2週間ほど前になりますが、〇っちーからのお誘いで「畑薙100マイル」を行いました。
 ダム好きか地元民以外で知っている人は少ないと思われる「畑薙ダム」
 山登りする人はちょっと知っている「畑薙ダム」
 TJAR好きならほぼ知っている「畑薙ダム」

 TJAR:トランスジャパンアルプスレースで、多くの山々を上り下りしてきて疲労困憊の挙句、ダメ押しで80kmのロードを走らされる起点となる場所です。
 畑薙ダムからゴールとなる大浜海岸まで80kmというのはボクも知っていました。
 「あー、あそこまで行って、往復すれば100マイルじゃん」と思ったこともあります。
 でも、こんな暑い時期に走る必要ないんじゃね?とも思います。

 しかしながら、〇っちーのTJARリスペクト企画ということで、あえてこの時期に、とのこと。

◆ スタート
 スタート時間は午後の2時。静岡駅前スタートにしたので5kmほど走って静岡駅に向かう。
 ※ 実はこの5kmが後々大事になる
 想像通り、ものすごい暑さ。「屋外での運動は極力控えましょう」レベルです。
 まぁ、やるとなったら愚痴っても仕方がない。コンビニで凍ったペットボトルを購入し、冷たい飲み物で体を潤しながら進む。
 でもスタートから7kmくらい進むと早くもコンビニがなくなる。
 畑薙ダムまでの約73km、往復だと146kmを自動販売機のみでしのぐしかない。
 知っていたけど、改めて考えると絶望的だな。

◆ 往路
 登り基調のロードをひたすら進む。
 集落がまばらになってくるに従い、日も陰り始めて、何となく涼しくなってくる。
 それでも暑いけど。
 自動販売機の位置はおおよそ把握している。大体5km~15km間隔かな。
 問題は横沢観光トイレから井川ダムまでの約30kmの間、自動販売機がないということ。
 しかも富士見峠を越えなければならない。
 あと井川オートキャンプ場から畑薙ダムの往復30kmにも自販機なし。さらに人気もなし。
 横沢観光トイレで多めにジュースを買い込み、富士見峠に向けて走る。
 暗くなってきた長い長い登りをひたすら上る。疲れてきて、会話も無くなってきた。
 ついでにおなかの調子も悪い。前日のランニング時におなかの調子が悪かったのが継続中だったみたい。
 どうにかこうにか富士見峠に到着。下り始めて2kmほど進むと、峠の茶屋的なお店があり、自動販売機が設置されていた。これはうれしい未確認情報。同じ企画をする方にとっては朗報に違いない。
 自動販売機がある、という些細なことで、真っ暗な山道で興奮する二人。
 幸せって何気ないところにあるんですね。

 富士見峠を下りて井川ダム&駅に到着。自分の中では、ここまでくると畑薙ダムまでもうちょっと、と感じる。
 実際には井川ダム&駅を過ぎて井川の集落に入るのだが、井川の集落は思った以上に長く、オートキャンプ場から畑薙ダムはさらに長い。相変わらずおなかの調子は悪いし、暗いし、気が滅入る。
 気温が下がり涼しくなってきたのだけが救い。

 100マイルを走っているというよりも、次の自販機とトイレにたどり着くために走っているという感じ。

 それでもどうにかこうにか畑薙ダムに到着。片道約12時間。