SAMURAIRUN~入隊そして除隊

「SAMURAIRUN」に参加しました。

場所は富士米軍キャンプ場。距離5K(実際は7K)。コース上にある様々な障害物を乗り越えて走る、という、まぁ「障害物競走」です。
基本、ロングレース以外は走らないスタンスでやっていますが、それより上位に、「楽しく走る」というスタンスでやっているつもりなので、楽しそうなのと、ONTAKE100の翌週でちょうどよい距離感ということで参加しました。
実際のところONTAKEはDNFだけど、エントリーしたときは知る由もなく‥。

◆スタート前
御殿場にある米軍キャンプ場に入る。ゲートで免許証のチェック。顔入りの身分証明書がないと入場できないので注意。逆に身分証明書の提示だけで基地内に入っていいのか?という疑問もあり。

当たり前だけれど軍服を着た体格の良いアメリカ人がそこかしこにいて、そこはかとない緊迫感がある。
駐車場に案内されて、5分ほど歩き、体育館で受付をする。基本日本語が通じるので問題ない。

壁に貼られてある、コースを見るが、よく分からない名称の障害物をいくつか越えていくらしい。

ボクは個人の部に参加したが、他にもチームの部なんかもある。
会場にいる(多分)アメリカ人と日本人の割合は半々くらいか?あまり本気モードのランナーはおらず、レースというよりもイベント的な要素が強そう。
アメリカ人男性は基本、当基地の軍人さんだろう。やたらガタイがいい。ただ、まんべんなく鍛えた肉体はすごいが、明らかに走るには適さないマッチョや、鍛えるより食欲が勝った、ひたすら大柄な人ばかり。
走るだけなら勝てそう♪(スタート後、それだけでは勝てないことを知る)

分かりやすく、アメリカン

彼らには勝てるんじゃないか?

そのまま走る気か?(実際そうらしい)

しばらくすると開会式が始まって、スタートゲートに並ぶ。
さすがに、最前列にいるランナーは均整の取れた、見るからパワー&ファストな外人さんたちが並ぶ。

◆ スタート~ゴール
ヨーイドン。
トレイルを数百メートル走り、ヒザ下くらいの深さがある大きな水たまりをいくつか越える。
その後、懸垂ゾーンに入る。懸垂5回と土嚢袋5回持ち上げる。懸垂がクリアできなければ、土嚢袋20回持ち上げればよい。

※ 以下、心の声となる
ちなみに、懸垂をやるのは何年ぶりだろうか?高校のスポーツテストが最後の記憶だから‥。30年以上前のこと。その頃は10回程度なら出来たよな~。今だって毎日のようにカラダを動かしているし、100マイラーだし。5回くらいなら簡単だろ♪

と・こ・ろ・が! 鉄棒を掴んだ、はいいが、そこから全くカラダが上がらない!?ウソ?
2,3度試みるも、5回どころか1回だってムリ!
取り敢えず鉄棒を降り、土嚢袋20回。
我ながらショッキングな状況に愕然としながら土嚢袋リフトアップをクリア。懸垂ゼロ回という事実をどう受け止めたらよいのか?
懸垂の練習するか?イヤ、ランニングする上で役に立たない気がする。しかし、ゼロ回というのは‥。

その後、しばらくトレイルを走る。ここはある意味専門なので、どんどん抜かす。
ボクは、履き古したランニングシューズに、ランパンランシャツで参加したが、当レースをトレーニングという位置づけで参加しているランナーもおり、軍服軍靴といういでだちで走っている人も大勢いた。編み上げの軍靴なんて片方1kg以上あるんじゃないかな。アーミーおそるべし‥。

途中で鉄棒にぶら下がり、ヒザ上げ10回。これはクリア。
またしばらく走って、今度は10kgくらいあるボールを鉄棒の向こう側へ投げる。これも何とかクリア。でも、やはり腕力を要する障害はつらい。

距離も2Kをすぎて(まだ2K!?)、ツラくなってきた。
そして、難関のロープ登りがやってきた。5mくらいあるロープの半分くらいを登ればOK。
ところが、懸垂と同じく、全く登れない!?30cmだって上がらない。今掴んでいる手をさらに上のロープにかけることすらできない。
他のランナーはどんどんクリアしていく。(ここで、アーミーさん達の実力をまざまざと知ることになる)
今回は土嚢袋のような代替えはなし。
自分の実力を素直に認めて、エントリー時につけてもらったテープを切ってもらう。このテープがない人は、障害不通過となり表彰対象から外される(レースは続けられる)。まぁ、そもそも表彰対象(1~3位)じゃないし、このままでは永遠にここにいることになる。

その後、傷心のカラダを引きずりながら、丸太越え、はしご上り下り、トンネルくぐり、うんてい、壁越え、1個20kgくらいあるおもりを2つ持っての移動などを通過して、あと1kmくらい。
沼地を越えて、10mくらいの土手(結構高い)を越えたらゴールが見えた♪

しかし、そんな簡単にはゴールをさせてはくれず、今後生きているうちでおおよそかかわりあうことの無さそうなデカいタイヤをひっくり返したり、車輪の外れたソリのようなものを‥
① 引っ張る
② 押す
と、これまた非力な自分には拷問のような障害をクリアし、ようやくゴール。
疲れた。キャンプ場の司令官らしき人からメダルをもらって、その後Tシャツをもらう。
「サイズは?」と聞かれたので「Sサイズ」と答えたら、「そんな小さいのはない」といわれてMサイズをくれた。
どこまでもマッチョな対応だ。さすがアーミー。

◆ ゴール後
泥だらけのカラダを消防車のホースで洗い流され(昔、映画「ランボー」で、ランボーが留置場内で高圧ホースから出る水で強制的にカラダを洗われていたシーンを思い出した)、着替えてホッと一息。

会場にある飲食販売テントで、アメリカサイズのでかいチーズバーガーを買って、いただきました。
チーズバーガーだけ欲しかったのだけれど、なぜかスナック菓子と炭酸ジュース付き。マクドナルドのポテトセットみたいなものかな?

デカかった‥

しばらくしたら、抽選会が始まる、30人くらい当たったのかな?ボクは外れ。

特にレースらしいレースじゃないのもいい雰囲気だったし、その割に、ヨーイドンとなれば、それなりに一生懸命走る。こういう距離の全力走は自分一人では苦しくてなかなか実行しない。
たまには短い距離のレースに出るのも気分転換と、いいトレーニングになっていいかも。

ただ自分の文明外における戦闘力のなさを自覚してしまった。
もし、入隊したら‥
① 耐えられず脱走する=銃殺
② 訓練をクリアできず=教官からの鉄拳か、死ぬほどののしられるか‥
③ ソッコー除隊=多分、挫折感の嵐

取り敢えず、日本で戦争が起きていないことと、自衛隊の皆さんに感謝した日でした。