ONTAKE100マイル ~②一周目~

■ スタートまで
雨は激しく降ったりやんだり。まぁ、例年似たようなもので特に感慨もなし。

■ スタート後
とにかく飛ばさないように自重しながら進む。自重しないと後半、いやそれどころか半分ほどで疲れてしまうのは明らか。
鼻呼吸で、少しでも息遣いが乱れるようであればペースを落とす。
水分摂取はこまめに。
ピッチは意識しないと言いながら普段聞いている音楽を頭の中で流す。これはこれでいい具合に集中できる。
長いロードを走り、やがて登り。雨脚が強くなる。当初はレインを着ることもないと思っていたが、思った以上の土砂降りでカラダが冷えそうなため、途中でレインを着る。

■ 痛恨の‥
やがて林道に入る。ところどころ分かれ道があるが矢印が書かれた標識があるし、枝に下がったリボンもある。序盤だから前後に他のランナーさんもいるし迷うことはない‥はずだった。

エイドが近づいてきたころ、ある分岐に差し掛かった。
前のランナーさんは分岐の右側を進んでいる。三角コーンに取り付けられた矢印は右側を指示している。
特に疑問にも思わず自分も右側の分岐を進む。
前のランナーさんを抜きつつ前に進む。矢印標識以降分岐もないし道なりに進んだ。
でも、何かおかしいな~?と思い始めた。しばらくリボンを見ていない。ボクの前をウサギが通った。注意深く進みながらも地面を見ると前方のランナーさんの足跡が無い‥。これはひょっとして‥。
信じたくないが念のために、1キロほど進むもやっぱりリボンがない。
前方に見える2人のランナーさんに声をかけて道間違えたんじゃないか、と伝える。
3人とも半信半疑になりながら戻るも、後ろからくるはずのランナーさんが一向に見えない。
これはやっちゃったな~
急いで戻る。どこで間違えたんだろう?途中に在ったはずの分岐を見逃したか?(この時点では矢印標識を確認した地点は間違っていないと確信していた)
戻りに戻って結局矢印標識まで戻った。右側を示していたはずの三角コーンの矢印が左の道を示している‥。

誰がコーンの方向を誤ったコースに変えたのかは分からない。後で聞いたところによると、強雨で倒れたコーンを立てかけなおした誰かが矢印まで確認しなかった、ということらしい。
とにかく、ボクはコースを間違えた。しかもそれに気づくまでに結構な距離を進んでしまった。時間にすると小一時間はロスしたと思う。
いや、誰を恨むんでもないですよ。間違えたの自分だし、よくよく見れば分岐の左に垂れ下がっていたリボンを見逃したのは自分だし、1キロ毎にリボンがぶら下がっているからそれでコースの正否を判断しろ、という説明も聞いていたし。
だからと言ってコースを間違えて余計に時間を浪費してしまったという事実は覆り様もなく、その事実によってボクのやる気がほぼゼロになってしまったこともこれまた事実。

■ 今後の身の振り方について考える
圧倒的最後尾までポジションを下げ、意気消沈をした状態で走りながら考える。
ロスした時間は小一時間ほど。完走だけだったら十分可能だと思う。
100マイルにおける給水や補給、フォームチェック、フォーム変更後の疲労度合。
確認しておきたいことだってたくさんあるし、このまま完走する意義は確かに存在する。
それら100マイルを走るに足る意義を頭の中に並べて「さ~ここから新しい挑戦だ!頑張るぞ~♪」となれば中々のナイスガイだが、ワタシあいにくそんなナイスガイではない。

「もうイヤになった。止めたい」
そーなんだよ。結局面倒な状況で面倒なことしたくないんだよね。オレ凡人だしね。おまけにかなり怠け者だしね。クーラーの効いた部屋でのんびりNetflixでも見ていたいわ。もしガンバっても完走ってだけだしね。まぁこんなメンタルから完走したらそれはそれでエライことだとは思うけれど。でもね~。

などと逡巡しながらご機嫌斜めで走っていた。