グランレイドカター~⑥中盤

夜は更け、ほぼ一人走が続く。たまに前方にランナーが現れ、互いに何となく声をかけてフワッと抜いていく。
まぁ「ガンバレヨ」的なことだと思う。だから「メルシー」と返す。
「ありがとう」と言っておけば、ワールドワイドに間違いない‥はず。

たまに牧場を抜ける。牧草地なので、背の高い木がなく、マークが低い灌木についていて、見つけにくい。

昼間撮影。こんな感じ。
さらに進むと、牛さん逃亡防止用電熱線が張り巡らされていて、それをまたぐように脚立がおかれている。
それを乗り越えて進めよ、ということ。
脚立を乗り越えるときに、妙なサバイバル感がわいてくる。が、イケてはいない。

これは昼間撮影。

途中、当レースに珍しく傾斜の厳しい区間がある。登った先の山のてっぺんには巨大な岩をくりぬいた?お城がある。
前回はストックがなくてズルズル斜面に苦労したが、今回はストックに身も心も委ねて黙々と進む、いや進めている。
持ってきてよかった。ナイスオレ。

そのうち。前方に数人のランナーが行ったり来たりしているのに遭遇。どうやら道がわからなくなったよう。
ボクの記憶では、間違っていないようなのだけれど、なるほど先を進むと道がなくなってしまった。
ガヤガヤ相談しているうちに(といっても、ボクは何を言っているかわからないから、横でフンフンしていただけ)、
スタッフらしき人が別の道から誘導テープを付けながらやってきた。今!?

何はともあれエイドに到着した。
※ 前回はこのあたりが雨量MAXで土砂降りだった。エイドは色とりどりのライトで装飾されて、ほんわかした雰囲気だったが、とにかく寒いし、土砂降りの中で見るライトアップされた巨大な山城が怖かった。もう絶対に「悪のナントカ」が住んでいる感じ。早々に駆け下りてしまった。

今回はここでガーニーグー(足のマメ防止用のクリーム)を塗って、時間をかけて出発。雨は降っていなかったが、なぜか頭上の山城を見なかった。何でかな?
しばらくは林道を進む‥ハズが途中でトレイルに突入?コースが変わった?蛍光のマーク以外にトレイルを示す兆候がなく、明らかに今回用に作られたコースのようだ、低い枝の硬い灌木が密生していて、脚をひっかく。痛い‥。

見覚えのないトレイルを駆け下り、見覚えのないエイドに到着。だんだんと空が白み始めた。前回とほぼ同じタイムかな。
前回はこの地点のエイド後で致命的なコースミスをやらかした。
コースミスに関してはちょっとトラウマになってしまい、その後のレースでは試走など、やったことの無いことまでやったりした。
だけど、今回コースが変わったことによって、間違えた地点は通らない模様。
致命的だっただけにその時の状況ははっきり覚えていて、今回リベンジすべく当トレイルの分岐に対して闘志を燃やしていたのだがそれも空振り。

しばらくは紅葉づいた森の中を、「山っていいな~」と現実逃避気味に進む。ちょっと疲れてきたかな?