グランレイドカター~⑤序盤

しばらくして最初のエイドに到着する。
エイドの補給食
パン、バナナ、オレンジ、リンゴピューレ、クラッカー、チョコクッキー、チーズ、ハム、カップラーメン、パスタ入りトマトスープ、マシュマロのようなグミのような?、水、炭酸水、コーラ、フルーツジュース etc‥

まあ、食べるには困らないほどの食べ物は提供してもらえる。
だけど、今回の自分は基本的に粉飴を水で溶いた自作エナジージェルをエネルギー源として走る予定でいたので、ほとんどエイドの食べ物には口をつけなかった。
※ ベスパの斎藤さんがどこかで「1時間に1回少量の固形物を入れて胃を動かすようにした方がよい」というようなことをおっしゃっていたので、バナナを一口、もしくはクラッカー1枚は各エイドでいただいた。
※ エントリーフィーを払ってバナナとクラッカー少量のみの摂取というのは、コストパフォーマンス的にどうだ?勿体なくないか?という貧乏根性との戦いでもあった。

最初のエイドを過ぎると、本格的なトレイルに入っていく。とはいっても標高が低いせいか、景色や路面状況は日本とあまり変わりない。
雨が降ったり止んだりを繰り返すので、トレイルが滑る。気を付けて進まないと。
そのうち暗くなってきたので、ヘッドライトを点灯。ヘッドライトはトレラン店店長からお借りした「レッドレンサー」。
インプレッションは後日書くけれど、これがめっぽう明るくて、レース全般にわたり力になってもらった。

19キロ地点にある第2エイドまではちらほらランナーが見えたりして、徐々に抜かしていったのだけれど、ここを過ぎると、ランナーが見えなくなり単独行が多くなってきた。

本来、夜間走・おまけに単独走はこわがりのボクには絶対ムリな環境下なのだが、レースとなるとそれなりに耐えられるのは不思議だ。
テープの確認もライトに反射するため、かえって視認しやすくて迷う可能性も低い。

30キロのエイドも過ぎて、しばらく行くと次のエイド”シャトーダルク”に到着する。
ここは自分の荷物を預けてあるデポ地点となっている。”シャトー”というからには中世の古城がエイドとなっていて、それなりに風情もある。
ただ、カルカソンヌの大きなお城とは違って、田舎の古城なので、少し小高い丘にこじんまりとした建物がポツンとあるだけ。
日本のお城であれば、天守閣というよりも〇〇櫓みたいな規模で、部屋数も(おそらく)数室ほど。
その数室の部屋に簡易ベッドを置かれていて、ランナーの仮眠室にしているらしい。
実際、ボクは入っていないのだけれど、ボクの奥さんが、昨年・今年と同行してくれて、このエイドで1夜を明かしているので彼女の目撃談である。

※ この大会はUTMBなどのような大規模なものではない。当然、シャトーダルクに行くオフィシャルのバスはないし、すごく田舎だから公共交通機関を使って現地に行こうにもフランス語をろくにしゃべれない日本人では、ちょっと難しい。なので受付会場にいるスタッフに頼み込んで(事前にフランス語のお願い文だけは用意しておいた)、現地まで送り迎えをしてもらった。
シャトーダルクはこの近辺の村の観光名所ではあろうけれど、ひどく田舎町のお城だし、常設の宿泊施設だってないから、ここで1夜を明かした日本人はおそらくボクの奥さんだけだろう。彼女は彼女で随分と貴重な体験ができたと思う。

到着後、普通以上に歓迎される。先述したようにボクの奥さんは2年連続で当地を訪れている。スタッフさんも前年と同じ方が多い。
ボクは数分でエイドを後にしてしまうが、彼女は何時間もこのエイドにとどまり、エイドのお手伝いをしているうちに彼らとすっかり仲良くなってしまったらしい。そのダンナが来たので「お~よく来たな~」という歓迎ぶりだったそう。
ここで粉飴ジェルを補充し、トマトスープを食べて(温かくて美味しかった)、記念撮影をして?暗い夜道を出発するのでした。