グランレイドカター~⑦中盤から終盤へ

紅葉に色づいた山を抜けると、いよいよ当レース最高地点へと向かう。
前回は標高が1500メートル程度の山なので、大したことない、と思っていたら、3点支持(岩場を登る時の技術)が必要なほどの急騰で、おまけに強風のため、カラダごと飛ばされそうな恐怖を感じたり‥。

今回は直接その山に登るコースではなく、稜線沿いに進む。

だけど、最高地点の山にたどり着くための稜線はやっぱり岩場で、むしろ難易度が上がっている。途中であったハイカーらしき親切なお兄さんに、登り方のレクチャーをされる。
なるほど、壁のようないわばにロープが一本たらされているだけ‥。「ここ、本当にコースか?」。
落ちないように登る。ロープがなくなっても、3点支持が必要な岩場が続いたり。だけど朝日が昇りはじめた周囲の眺めは最高。

向うに見えるのはピレネー山脈‥だと思う。

難所を抜けた後、がれた下りを下って、2度目の”シャトーダルク”へと向かう(47キロと123キロの2度通過)。
走れるパートだが、前回は疲れ果てて、全くスピードが出なかった。今回は走れる。学習能力が残っていてよかった。
まるで前回の自分を見るような疲れ切って歩いているランナーを何名か追い越して”シャトーダルク”に到着。

さすがに疲れて椅子に座る。今回エイドで座ったのは往復の”シャトーダルク”の2度だけだった。
海外レース参加の際には、奥さんのいるエイドで味噌汁のもと入りおかゆを作ってもらう。
温かくて、塩気があって、みそ味で、「ニホンジンデヨカッタネ」と思える。
ただ、今回はちょっと気分が悪くて、半分ほどしか食べることができなかった。

濡れたシューズとソックスを履き替えて、気分も新たに終盤へと向かう。
※ ちなみに前回は、すでに脚の筋破壊が起きていて痛い脚を引きずりながらエイドを後にした。
その姿を見たギャラリーが「おいおい、あれで行くのかい?」と苦笑していたそうな。
なので、その時に比べれば今回は全然ましだった。

※ 後で奥さんから聞いたら、ボクはこの時点で6位。つまりランナー間も空いている。なのでボクがエイドについたとき、
ボクの奥さんも含め、スタッフは宴会をしていたらしい。ランナーが来たら対応して、過ぎ去ったら宴会の続き。
なんとも牧歌的なエイドでほほえましいが、こっちはそれに気づく余裕もないほどテンパっていた。