遠山郷ウルトラマラニック ~〇十年後の自分

以前、雑誌でこのレースを取り上げていた。地方の一レースだけれど、たくさんのおもてなし、アットホームさが特徴的なリピーター率80%の大会ということで、どうしても出てみたかった。
エントリー日を常にチェックし、エントリー開始とともにすかさず申し込む。実際、2日ほどで定員に達したようだった。

■ アクセス
浜松方面から水窪を経由し、峠を越えて遠山郷へ向かう。峠道は細く、「本当につくのかな?」などと不安に思った。
長野県側でも、他の地域とは隔絶された感があり、まさに「陸の孤島」、自分としては「八つ墓村」並みの秘境レベル。 ※個人的な距離感としての表現です。実際は平和そのものの町でした。

■ スタート前
朝方受付をすまし、スタート地点へ向かう。スタート地点で早くもお饅頭のおもてなしをうける。美味しい♪
ランナーさんたちが集まってきたが、年配者が多い。自分だって年配者だが、さらに先輩方が‥。
そんなわけで、そのいでだちも普段のレースと違う。
そして、先輩方の会話を聞いていると、そこかしこでなれ合いの雰囲気が感じられる。リピーター率8割は本当らしい。

そして開会式。町の中心街がスタート地点となるのだが、拡声器を使ってガンガン話をする主催者。まだ7時前の早朝だけれど、クレームないのかな?と不安になる。
※ 結局、この不安は杞憂に終わる。7時のスタート時に打ち上げ花火が上がって、町中に轟音がとどろくことになる。住民の皆さん、このレースに理解があるらしい。

■ レース
何となく若手に見える自分は、何となく前の方に並ぶ。
ボクの前に、チームTシャツを着た、とっても先輩ランナーが入ってくる。先輩ランナーは同チームのとっても先輩女性ランナーを連れてきた。「私は遅いから、うしろでいい」と言う女性ランナーに、「スタート地点に並べば、みんな同じランナーだよ。気にすることない」ということをおっしゃる、とっても先輩ランナー。

「いいこと言うな~」と後ろで感心する、何となく若手な自分。

打ち上げ花火の轟音とともにスタート。
先週の「信越五岳トレイルレース」の疲れもあるので、無理せずジョギングペースで進む。エイドでもたくさん食べるつもりで来ていたから、今回は普通にファンランのつもり。

なのに、気づいたら、2位にいる!?

こういう展開は予想していなかった。順位をつけるような大会ではないから、意識する必要はまるでないが、慣れない位置にいると動揺する。
最初のエイドに到着。そば、栗の渋皮煮、漬物などを食べる。栗の渋皮煮が美味しい~。
エイドでは一位の人がいて地元ケーブルテレビのインタビューを受けている。どうやら昨年も一位の人だったらしい。
この後は、10キロくらいの登り。特に無理せず登る。しかし後続が来ない。みんな自重しているのか?ボクが思っている以上に先輩率が高くて追ってこられる人がいないのか?

中腹のエイドを過ぎる。コース図は一度くらいしか見ていなかったが、次のエイドは峠道を登り切ったあたりにあるはず。峠道を登った。ん?エイドがない。でも、しばらく上ったり下ったりを繰り返す。そのどこかにエイドが‥無いな~?道間違えたかな?かと言って、本当は正しくて、引き返した挙句3番の人に会うのも嫌だ。などとスケベ根性を出して逡巡している間にも、峠道をどんどん進む。アップダウンは完全に下り坂になり、道路の進む方向も完全に違う。ようやくあきらめて、元来た道を登り返した。

途中、スタッフの人が迎えに来てくれて、間違えたことを確認。7.5キロほど登り返し、ようやく本来曲がるべき分岐にたどり着いた。鋭角に曲がる分岐に小さな矢印がある‥。約15キロ余分に走ってしまった。

そして2位だったボクは全員に抜かれ、ビリになったのでした。
まぁ、自分らしいといえば自分らしい。ポジティブにとらえれば、これで心置きなくエイドを楽しむことが出来る♪。

次のエイドでは五平餅を食べた。そしてお楽しみの治郎さんエイドに到着。すでに大勢のランナーが、パイプ椅子に腰を下ろしテーブルに並べられてた様々なごちそうを食べている。おはぎ、煮物、おにぎり、お菓子、漬物、味噌汁、みそ田楽。飲み物は日本酒、ビールなどなど。
田舎料理が好きな自分も、どっかり座って食べまくる。おはぎ6個(きなこ×2、あんこ×2、栗あんこ×2)、おにぎり、つけもの、煮物+ビールetc‥。もうおなかイッパイ。

その後も、お饅頭、芋煮?(すげー美味しい)、アマゴの塩焼き、ハチのから揚げ(海老みたい味)、ハチの巣のはちみつ漬け(おいしい)、とさらに食べまくり、おなかが重すぎて腰が痛くなってきた。

他ランナーさんより15キロも余分に走り、さすがに疲れてきた。コースと距離は毎年微妙に変わるらしいので、今回は何キロになるのかな、などと考えていたら、ゴール地点の標識が見えてきた。今回は40キロといつもより短かったらしい。助かった。

ようやくゴール。日が登り切って暑い‥。しかし、ここでもかき氷サービス♪すごいぞ遠山郷
かき氷5~6杯くらい食べました。ゴールは「道の駅」なので、ゴール横にある温泉に入って、即効さっぱり気分だ~。

■ 後夜祭
郷土資料館の「和田城」というところで、後夜祭が開かれた。
これまた美味しそうなごちそうの数々。ほぼ飲み放題食べ放題。もちろんレース中に散々食べまくったので、満腹感MAX。
主催者が小気味よく進行をし、常連ランナーさんをいじったり、常連ランナーさんがいじったり。
この大会には他レースの運営者も参加していて、それらのレースの紹介もされた。
どうも、みんなウルトラ大好きランナーさんが地元でレースを行っているよう。結局のところ主催する側も参加する側も年齢を重ねたウルトラ大好き年配ランナーさんの集まりなわけで、自分も含めて、まぁまぁいい歳した年配者が、走りまくった挙句お酒を飲んで大騒ぎしている。
こんな光景を見ながら、「これから先、自分もこうなっていくのかな~。それはそれで楽しいことだろう」などと思ったのでした。

最後は昭和らしくバンザイで締めました。

■ おまけ
翌日、レース中に食べたお饅頭の和菓子屋さんと当レースのスポンサーとなっているお肉屋さんに行く。
さすが山中のお肉屋だけあり、売っているお肉も、バリエーション豊か。シカ肉、馬肉、熊肉を買って帰りました。
”ジンギス”というのは、ジンギスカン肉のように味付けをして売っているかららしい。
「遠山ジンギス」なぜか忘れられないフレーズとなった。