信越五岳100マイル ~MOTTAINAIが招いた悲劇

信越五岳トレイルランニングレース100マイル」に参加した。
結果は、完走はしたものの、途中でおう吐を繰り返し、おう吐後はほぼ歩き倒してようやくゴールという、なんともさえない結果だった。

■ 展望
7月の「ONTAKE100マイル」で久しぶりのDNF。自己分析してみるに5、6月と参加した100マイルレースの疲労が原因ではないだろうか、と思われた。
なので、8月はあまり走らず疲労を抜くことを優先に考えた。そもそも今年の夏も暑くて、走る気もなかったけれど。
結果、走り込み不足による不安が静かな津波のように押し寄せて、100マイルに対するわずかな自信をすっかり洗い流してしまった。
だから、レース前の高揚感などまるでない。

■ スタート前
受付場所である斑尾高原に向かう途中で、道路上にのたうち回っているヘビを見る。めちゃくちゃテンション下がる。(ヘビ嫌い)
まずは必携品のチェック。今年はチェック品目が少なくなったせいか、とてもスムーズ。

■ スタート
いつものように、焦らずゆっくりと走ることを心がける。「このペースなら200キロくらい走れそう」というくらいのペース。
そうは言っても、上り坂になればいささか息は切れるが、そこもペースを抑える。
途中ずっと、女子優勝候補であり100マイル友の〇原さんと前後する。「オレ、ペース速すぎる?」とも思ったけれど、そんなことない‥ハズ。

■ 補給(エネルギー)
今回の補給は、エナジーパウダーとジェルの半分半分。1時間に1個、約120kcalの想定だ。
weegleで購入した外国性のモノ。
6月の「<a href="https://100milelife.com/post-937">ULTRA01</a>」、7月の「<a href="https://100milelife.com/post-1044">ONTAKE100</a>」で使用したものの残り。
使用感に関してはどちらのレースでも途中で補給をやめてしまった。
どうにも自分の口には合わないな~、とは思っていたが、なにせ勢い込んで大量購入した上に「ONTAKE100」はDNFしてしまったから、まだ随分と残っている。
戦中戦後を体験した両親から受け継いだ昭和DNAを受け継ぐ自分としては“MOTTAINAI”精神が色濃く残っており、捨てるには忍びなく今回使い切ってしまおうと考えた。
そしてこれが失敗の原因の一つとなる(たぶんね)。

■ 補給(水分およびナトリウム)
当日は暑いとの予報だったので、「彩の国」で脚攣りに悩まされた自分としては、直接、塩を投入した方が、効果があろう、と考えた。計算によると、100マイルで約50gの塩が必要らしい。
取り敢えず30g程度の塩を携帯して、のこりはエイドで賄うことにする。
まぁ、これも失敗だったのだけれど。

■ 前半
50K地点の「アパリゾート」、疲れは感じない。前回はここでひどく疲れを感じていたから、まぁ順調か。
途中で、他のランナーさんから声を掛けられる。「<a href="https://100milelife.com/post-425">ORCAS100</a>」でご一緒した西城さん♪
あれ以来お会いしていない上、夜中だったのによく分かったな~。でもこんなところでボクと一緒になるとは?聞いてみると故障明けで、直近ほとんど走っておらず、おまけにおなかも壊しているらしい。
でも決してあきらめないで完走を目指す、ダイナマイト級にナイスガイな人です。尊敬してます。
結局、24時間台というナイスなタイムでゴールしていました。

川沿いのやたらと長い未舗装路を走り、地味に続く登りのアスファルト道を走り、少し疲れを感じ始めた。
「池の平スポーツ広場」前のスキー場の登り。きつい登りだけど、無理せず登る。疲れは出てきたが、去年よりは大分まし。

第二デポ地点の「黒姫」前の登りで、誘導員の方から「50番目」と順位を教えられた。
フム‥、いいのか悪いのか?
「黒姫」に到着。陽も高くなってきて気温が上がっている。暑いし疲れた。

■ 後半
「黒姫」を出て、だらだらと続く林道を登っていく。こういう走れそうなところは全部走るつもりだった。
けれど、とても走れる気がしない‥。
エネルギー不足かな?と思いジェルを口にしたら、猛烈な吐き気。
これ、やばい奴ジャン。経験上、必ず吐くジャン。取り敢えず、ここは気力が上回り、どうにか吐き気を抑えてゆっくりと歩く。歩き始めると猛烈な眠気。持参したカフェイン錠を摂取するも、フラフラと蛇行を繰り返す。
全然走ることなく、歩きまくって「笹ヶ峰グリーンハウス」に到着。
ここまで、各エイドとも数分で出立していたのだけれど、気持ち悪さを抑えつつ、プチ反省会をする。

※ とばしすぎ?いや、そんなことないだろ。あれより遅かったら、かえって問題だ。
※ 補給?なんで口に合わないってわかっているエナジーパウダーとジェルを持ってくるかな~?
※ 水?暑かったから、ガブガブ飲んだな~。普段あまり飲まない質だから、飲みすぎだったな~。
※ 塩分?全然足りてないな。持ってきた塩、すごく余っている‥。でも、吐く手前の今となっては摂取する気が起きない‥。

そんなことを考えながら、ようやくエイドをでる。

ペースはひどく落ちてしまった。心拍数も随分と低い。抑えているというよりも、上がらない。
走ったり、登ったりして息が切れると、途端に吐き気を催す。お手上げジャン。

そして、上り坂の途中でとうとうリバース。これでおなかはクリーン♪吐くものもないし走れるぞ~♪とポジティブに考えて走り始めた。途中で水飲んだら吐いた‥。

トボトボ歩いて、130K地点の「大橋林道」に着いた。ここで〇原さんに会う。彼女も随分と辛そう。おなかを壊したらしい。「絶対に完走だけはします!」と男気あふれるコメントを残して走って行った。
ボクは、ここで1時間ほど仮眠。経験上、仮眠休憩で復活する場合がある。

1時間の仮眠後、先を目指す。もう、ろくに走れない。思い切って走ってみたら、またリバース。
だめだなコリャ。“DNF“が頭の中をぐるぐる。こうなると、好むと好まざるとにかかわらず、”DNF“への執着力がハンパない。
この集中力を他に生かせオレ。

ようやく、「戸隠スキー場」に到着する。
あと制限時間まで6時間弱。リバース後の摂取エネルギーゼロ。瑪瑙山を越えなければならない。多分全部歩き。
つまり間に合わなさそう。そんなことを考えながら、ふとスマホを見たら、100マイル友の〇井、〇ッチー両名からLINEがきている。

革命時のヨーロッパ貴族並に没落していくボクのペースをWEB越しに見て、連絡をくれたらしい。
かくかくしかじかで、もうダメっぽいと、連絡したら、「這ってでも行け」というありがたいお言葉をいただく。
それが出来たらやっとるわっ!」と思いつつも、取り敢えず仮眠して様子を見ることにした。
45分後に起きてみたら、オレンジジュースとか飲みたくなっていた。
仮眠所外にある自販機でオレンジジュースを買った。何となく「しょうがない、行くか」という気になっていたので、進むことにする。
相変わらず歩みは遅いが、何とか瑪瑙山を登っている。登って、降りて、また登って。吐き気は無し。オレンジジュースのおかげか、何となく走っているし。
最後のエイド「飯綱山登山口」に到着。時間は残り3時間(くらいだったかな?)。
どうやらゴールはできそう♪
緩やかなアップダウンのある林道を8Kくらい進むだけ。
最初のうちは、歩いたり走ったりしていたが、気づいたら走り続けることが出来ていた。そしてゴール。
タイムは‥。どうでもいいか。とにかく完走した。
あたたかい汁物を何杯かいただいた。今頃食べられるようになった。
宿に帰った翌日は、さらにごはん3杯食べておなか一杯。糖質制限なんてあっち行け。お米が美味しい♪

■ 反省
MOTTAINAIが招いた補給の失敗
水分量と塩分のバランスが悪い
ペース配分とそれまでのランニング量とのバランス(これはよく分からないけれど)
いつまでたっても成長しないメンタル

何はともあれ2つ目のバックルゲット。前回と今回の区別がつかないが。