富士登山駅伝~その①

最も出たくなかった大会
富士登山駅伝に参加しました。

サブ3ランナーだし、100マイルレースも完走するから
速いだろう、みたいな誤解をボクの周りの数名が持っており

登り、5~10Kの短い距離走が苦手、という要素は
都合よく?カットされてメンバーに入れられてしまった

”入れられてしまった”と言うとご語弊があるが、
少なくとも自ら「はいはい、出ま~す」とは言わなかった。

不安とため息ばかりの1週間を過ごし、本番当日。

 スタートまで
早朝、御殿場に向かう。
天候は晴れ。覚悟を決めて出る以上、天気が良いに
越したことはない
第1区のスタート地点近くの小学校にクルマを止めて、1区スタート地点へ向かう。
てっきりそこからオフィシャルのバス(自衛隊トラック)が出ていると思っていたが、
そんな様子はない‥
大会関係者に聞くも、要領を得た答えが返ってこない。
結局、ゴール地点である陸上競技場からトラックは出ていることが判明。
あわてて陸上競技場に急ぎ、なんとかトラックに乗せてもらうことができた。

 全体を通して、この大会の情報発信が著しく少なく感じた。
長い歴史を持つ大会だから、周知されていることが前提なのか、
ランニングコミュニティの中では常識とされているのかはわからない。
だけど、ボクらはとまどうことが多かった。
もっとも、ボクらの準備不足もあったので、仕方がない部分もある

自衛隊のトラックに乗せてもらうことなどめったにない
幌がかかった荷台に木製ベンチが据え付けられており、そこに座って、
各区毎に移送してもらう。乗り心地は‥悪い。
時として、これに乗って長距離移動を強いられる自衛隊員のことを
考えるだけで、彼らのすごさがわかってくる。

ボクの走る3区”馬走り”に到着。各チームが林間にシートを敷いて、
スタートを待っている。

試走がてら、3区の途中まで走ってみるが、話に聞いていた通り、中々の斜度
果たしてどうなる?

 3区スタート
トップである、滝ケ原自衛隊を先頭に、続々とランナーがやってくる。
2区が来る前から、駅伝特有の張りつめた空気は感じていたけれど、
2区が来始めて、彼らの必死な状態を目の当たりにするに従い、その空気は
より濃密なものとなる。
正直、ボクのようなノホホンとしたキャラとは相いれない空気に圧倒される‥

2区のランナーが到着間近になると、ゼッケンNoがコールされる。
やがて自分の番号も呼ばれ、2区ランナーの〇井さんからタスキをもらい
スタート

 事前の展望
順位、タイムは望むべくもない
ただ、精いっぱい走るのみ
だけど、やたらいたずらに走って、途中で電池切れ、ということは避けたい。
事前に何度か登りを走ってみたところ、心拍数90%くらいなら、5Kくらいは
持ちそうなことが判明
心拍数を上げすぎずに、4Kくらいまで走り、そこからは行けるとこまで行く

タスキを受け取り、走り出す。ぐんぐん上がる心拍数
あっさり、90%を超える
アドレナリンが出ているせいか、思ったほど苦しくない。
苦しくないから走れる、とも思えないが、とにかく進む。

それでも、後続ランナーに次々抜かれる‥。
結局、駅伝に出たくないのは、こうした光景を見たくないから、ということなのだろう。
こうした光景を見る羽目になったのはいろいろな要因がある。
年齢的なことや、これまでの走歴など、不可抗力的な要素もあるが、
苦手な部分をないがしろにしてきた自身の弱さもある。
走るのは趣味だし、嫌なことをひたすら続けることはないとも思う。

思うけれど、可能なのにやるべきことをやらなかった、という事実は
認めなければならない。
それはひどく居心地の悪いものだ。
だけど、あるべき事実は、今、ボクの目の前に広がっている。
ボクは少しだけ何かを変えなければならないのかもしれないな‥。

などと考えながら、ふと心拍数を見ると、95%近くまで上昇
普段、坂道ダッシュを行っているが、そこまで上がったことがない
当然、息づかいは激しくなる。時々自衛隊員の方々から声援を送られるが、
返答どころか、目を向けるのも煩わしく、申し訳ないが結果的に無視(スミマセン)

最後にきてありえないくらいの斜度の坂道を上り、ようやく4区が見えてきた
何とかタスキを渡して往路終了。