丹後ウルトラマラソン~その③

 終盤~90K
手先のしびれは徐々に広がり出し、結局のところ上半身ほぼしびれる
痺れの拡大に比例して走るスピードは下がっていき、ついには歩いてしまう。

「これが、“エネルギーが空っぽ”ということか~」とトボトボ歩きながら妙に納得する。
体力どころか気力もなくなり、次のエイドでリタイアしようと決めたところでエイド到着。
リタイアする旨を伝えた。今から回収車を待つことを考えると辟易する
そもそも体調が悪くてリタイアするのだから一刻も早く帰りたい。
けれど自業自得なのでしょうがない。
幸いなことにエイドにはコーラが置いてあった。

エネルギー補給にと何杯かいただき、椅子に座ってのんびりと飲む。水分も足りていなかったせいか、何杯でも飲める。ついにはペットボトルごといただき、がぶ飲み
1.5リットルくらいは飲んだんじゃないだろうか?

エイドを過ぎ去るランナーを次々と見送りながら、ぼーっとコーラを飲み続けていたら、痺れがとれてきた
どうやらエネルギーが補充されたらしい、ということは走っても大丈夫なのかな?
すでに気持ちは萎えている。
来月の100マイルレースのことを考えたら、ここで無理してもいいことはない。
そして苦しいときはやめる言い訳が笑ってしまうくらい湧き出てくる。
今の後ろ向きな気持ちも、これらの類なのかもしれない。
しばらく悩んだ後で、取り敢えず出発することにする。
ダメだったら次のエイドでやめればいい。
リタイアをやめる旨を告げて、動き出す。動き出すが、30分ほど座っていたせいで、カラダが固まってしまった。ハンガーノックになったことで筋破壊も進み、カラダ中が痛い

数百メートル進んだところで立ち止まり、しばし考える。
「これって、次のエイドまで進むのも無理じゃないか?」
元のエイドに戻ろうかな、とも思ったが、のこのこ戻るのも恥ずかしい。
痛いのをこらえて先に進む。

先に進むうちに、痛みに慣れたのか、走れるようになってきた。
どうやら、先ほどのコーラが効いてきたらしい。
スタート直後のスピード感が戻ってきて、それは登り坂になっても変わらない
さっきまでの減速は何だったのか?と思えるほど快調に進んでいく。
エイドに座りながら眺めていた、通り過ぎていったランナーを今度は徐々に抜かしていく

こうなると期待されるのが、サブ10。
完走も危ういと思っていたが、これだけ走れるとなると、ひょっとして‥
50Kくらいまではサブ9くらいのペースで走っていた。エイドでの休憩が30分くらい。
今のペースを続ければ、サブ10は大丈夫そう。でも維持できる保証はない。

とにかく、先を急ぐ。足を攣らないように水分は努めて摂取し、エネルギー補給も兼ねて、コーラはより多めにとる。いいペースのまま90K地点へ。