FROM静岡TO高尾100mile ~ 聖地巡礼② ~

◆ 夜
夜、御殿場市に入り和食屋さんで晩御飯。
店内は暖かい。今ほど通った道路が見える窓は店内との温度差から曇っている。
曇りのこちら側は天国だけれど、向こう側は‥。
ご飯を食べた後、極寒の外に出られるのか、オレ?
スタート地点から80km離れた夜の御殿場市ではDNFするのにも覚悟がいる。
かと言って、このまま進むのも覚悟がいる。

あたたかい食べ物をまったり食べた後、意を決して外に出る。
標高がそこそこ高いし夜も更けてきたから気温は低い。道路標識の温度計は1℃を示している(その後0℃)。
うんうん想定内。雨が降っておらずレインウェアが乾いているのが不幸中の幸い。
あとベースレイヤーが思った以上の機能を果たしてくれて、冷気をシャットダウンしてくれている。
神奈川県にたどり着くまでのコースが下り基調で楽なのも幸いして順調に進む。ただこんな静岡県の外れの道路を歩行者が通るという想定はされておらず、歩道はない。
これが結構怖くて、神経を使う。ドライバーだってこんな夜更けに歩行者がいるとは思わないだろうし、眠くなって注意力が散漫な人もいるだろう。もしかしたら飲酒運転の人だっているかもしれないし、コロナショックで保有株が暴落し自暴自棄になっているドライバーもいるかもしれない。
おまけに、御殿場市の次の小山町がうんざりするほど長い。

下り切った先のコンビについたときはホッとしたけれどぐったりもした。

その後も、黙々と走り続けて120kmのコンビニで休憩。もうじき夜も明けてくる。
通常であれば日が昇ることが希望となって気持ちも持ち直してくるもの。
しかし、なぜかここからしばらく超絶ネガティブゾーンが始まった。
ネガティブでシニカルでヒステリックな考えがわんさかと湧いてくる。止められない。
完全にダークサイドに落っこちちゃったな。まだジェダイの騎士にもなっていないのに暗黒面に支配されてしまった。
ナゼあの時間帯だけご機嫌斜めになったのかよく分からない。疲労や痛み、空腹、胃腸の調子などの身体的なモノか?寒さやアップダウンの激しいコースなどの外的なモノか?はなはだ未熟なメンタルのせいか?
結局のところ、ライトがいらなくなるくらい明るくなったところで入ったコンビニ辺りで、クリーニングしたてのワイシャツ並みにさっぱりした心持になったけれど。

◆ ゴールまで
ようやくゴールが想像できてきて、空も明るくなり、気分も持ち直した。
何気にマクドナルドの朝マックの話題になる。
気持ちはマクドナルドに向かっているが、走っている場所は、控えめに言って田舎だったので、マクドナルドなどさすがになかろう。
しかし、念のためグーグルさんに問い合わせてみると、コース上数キロ先にマック発見!?ミラクル起きた。
さすがワールドワイドなマクドナルド。
ボクらの無駄な努力も、存外無駄じゃなかったわけだ。いいことってあるんだな~。
一層前向きな気持ちになりマクドナルドに向かい、朝マックを堪能する。
そしてゴールまでは15kmほど。
天気は快晴で暖かい♪
脚は痛いけれど、ここまで来たら大きな問題じゃない。黙々と走りながら残り5kmくらいのところまで来た。
しかっし!コースにのぼりや下りが無数にあったように、1日の中にもいいこと悪いことがある。
要はどこかでコースを間違えたらしい。グーグルさんによると残り5kmのはずが残り10kmに‥。
最終盤での5km延長は中々のダメージ。「ドラゴンクエスト」ならば“痛恨の一撃”というところだろうか。

嘆いたところで距離が縮まるわけないから、ココロを無にして走るけどさ。
そんなこんなで、ようやく到着。全長165km。累積標高1775m。
疲れた‥。やっぱり疲れた。もう30回以上100mileを走っているはずだけれど、一向に慣れる気配がない。今回もひどくつらかったし、止めたいと思ったし、ダークサイドに落ちてしまった。そして走り切った。
もっと簡単に走り切れる方法ってないのかな?

◆ ゴール後
何はともあれ、走り切ったのは事実。身もココロも解放されて、高尾口駅の温泉に向かう。
冷え切ったカラダを温泉の湯に浸した瞬間、気持ちよくて溶けるかと思った。
その後、待望の「Answer4(Living Dead Aid)」へ。
めでたくビールをいただいた♪美味しかった。
オーナーの小林さんは気のいい人で、勝手アホ企画にもビール値引きをOKしてくれ気前もいい人だった♪
Answer4の商品もたくさん並んでいて(当たり前か)、普段あまり目にすることの無いギア類に興奮。
その後、Answer4アスリートのJRさんなどもお店に来てくれて楽しく過ごして帰りました。