アオトラ105.5周 ~シャワーランじゃなくて滝行~

新型コロナウィルスの影響で中止になってしまった静岡マラソン
参加を予定していた人たちは、そこに向けてそれなりの労力を捧げてきたわけで。
そこで育て上げたエネルギーは行き場を失って、色々な形で発散されるらしい。
その一部は、当日フルマラソンの距離を走ることによりココロの平安と満足感を得ることで解決される。

そんなわけで、清水総合運動場陸上競技場(通称アオトラ)で105.5周を走ろう、という企画が生まれ、お誘いを受けた上に、グルグルフルマラソンという異質な企画の魅力に誘われて、参加することにした。

ボクは静岡マラソンに参加する予定ではなかったので、3月8日のマラソン大会に対するモヤモヤはないのだけれど、翌週の「神宮外苑24時」には出られなくなったわけだし、一人でフルマラソンなどということもしんどそうでやらないだろうからありがたく参加させてもらうことにした。

◆ スタートまで
朝起きて、窓の外を見たら雨‥。
一人だけの企画だったら止めているだろうが、参加させてもらう身ではあるし、不思議と「イヤだな」という感覚もない。
まぁ、天気は自分の影響の及ばないところ、自分がどう感じるかが肝心なのだ、と確実にどこかの本で読んだことを考えつつ、不思議と「イヤだな」と思わなかった自分にホッとした。
支度をして自宅を出る。出る際に「一応‥」と思ってレインジャケットを持って行った(これが結果大正解)。
参加者はボク、横〇さん、前〇さん、の3名。もっと参加するつもりの人もいたのだろうが、この雨じゃあね。
横〇さん➔ボクを誘ってくれた人。速い。今日の予定タイムサブ3。
前〇さん➔初めてお会いした。どんな人かな?と思って調べてみたら、市町村駅伝の代表(補欠だったらしいが)だったヤバい人。今日の予定タイム、本人はサブ3と言っているがヤバい人だから謙遜発言じゃないかと疑うオレ。
ボク➔フツーの人。しかも先週走った秋葉山の筋肉痛がようやく癒えたが、疲労感たっぷりの人。予定タイムはキロ4:30くらいで行けたら万々歳。最終的にはキロ5:00くらいまで落ちる予定。
‥絶対迷惑かけるパターンだよなぁ。取り敢えず、その旨を伝えておく。

◆ 最初の10km
よーいドンの最初から2人に置いていかれる。まぁ想定内。最初の1キロ4:11。ちょっと速すぎるかも。
でもキロ4:30までは落としすぎだなぁ。なんだかんだで20kmくらいは持つかな?
ザーザー雨降りのせいかトラックを走っているのはボクら3人のみ。脇で短距離走の練習をしている若者あり。
今回、この企画に賛同してくれた黒〇さんという市町対抗駅伝清水チームコーチの方がサポートをしてくれる。周回毎にラップタイムを伝えてくれ、5km~10km毎に給水ボトルを渡してくれる。
※結局、約3時間、最後まで付き合ってもらった。ありがとうございました。
ただ、個人的にトラックを走ったことがないので、ラップタイムを言われても、全然理解できていなかったが。

◆ 11km~20km
まだしぶとくサブ3ペースを維持。レインウェアを着たままスタートしたが、一向にカラダが温まらなくて、着たまま走っていた(結局ゴールまで脱がず)。
雨脚は強まったり弱まったり。止むことはない。
やがて脇で練習していた若者たちもいなくなり、残ったのは土砂降りの中を走る中年3名‥。

◆ 21km~30km
ここからサブ3ペースからはみ出る。体感は変わっていないけれど、ラップタイムは落ちているから、ここが限界かな?念のため、ジェルを摂取することにする。ところが手が冷え切って、ランパンのポケットのジッパーを開けられない。いったん立ち止まってジッパーを開け、ジェルを取り出して飲み込む。するとあら不思議、ペースが戻った♪
エネルギー不足だったのかな?エネルギー切れの兆候はなかったけれど。
ひょっとして、「勝田全国マラソン」の時もエネルギー切れだったのかな~?などと現実逃避をしながら走る。

◆ 31km~ゴール
苦しくなってきたけれど、不思議とペースは落ちない。走る前から疲労感はあったから、自分でも意外。
やがて前〇さんがおちてきた。直前まで一週間ほど風邪をひいていたそう(コ〇ナではない)。
雨は激しさを増して、シャワーランというより滝行になっている。苦しさと寒さで目の前がかすむ。これは映画「八甲田山」で見たことある。このまま逝っちゃうやつだな~。でもがんばる。
さすがに周回数は数えていられなかったので、GPSが42.195kmを超えた先のゴール予定地点で終了。
42.4kmで2:58:40。おーっ、やるじゃんオレ。

我ながらアホらしい企画に参加したものだけれど、走り終えたらやっぱり心地よい充実感は得ることが出来た。無事走り終えることが出来た3人で、ちょっとした高揚感を抱えながら、シャワーを浴びて帰途についたのでした。